エンジン提案

Max PrilutskiyCEO 兼 共同創業者Updated 先月 · 1 min read

すでに翻訳にAI評価者を使っていれば、品質が落ちたときにすぐ気づけます。たとえば、用語集の用語が守られていない、文体ルールが見落とされている、スコアが基準を下回っている、といったケースです。でも、問題が見えることと、それを適切なエンジンの改善につなげることは別の話です。不合格のレビューを読み、共通点を見つけ、修正すべきなのが用語集なのか、ルールなのか、それともブランドボイスなのかを判断し、実際に書き起こす。この2つ目の工程こそ時間がかかり、しかも静かに後回しにされがちです。

Engine Suggestions が、その作業を代わりに引き受けます。レビュー結果が低いと、Lingo.dev が内容を読み取り、共通パターンを見つけ、エンジンが適用する用語集ルール、またはブランドボイスに対する的確な編集案を、理由付きで提案します。あとは内容をレビューして Apply をクリックするか、Dismiss を選ぶだけ。低スコアを、具体的なエンジン修正に変えられます。

提案は翻訳の変更ではなく、編集案です

提案とは、エンジンが適用する設定に対する保留中の変更です。適用すると、実際の用語集の用語、ルール、またはブランドボイスのテキストが書き込まれます。つまり、手動で作成するのと同じレコードです。翻訳が再実行されることはなく、変更が反映されるのはエンジンが実行する次回の翻訳です。

低スコアから自動で提案#

これが、提案が表示される主な流れです。AI評価者を使っていれば、すべての翻訳はすでに用語集、ルール、カスタム基準に照らして採点されています。低スコアが続くこと—たとえば boolean チェックの失敗や、基準を下回るパーセンテージ—は、エンジンのどこかに調整が必要だというシグナルです。auto-suggestions をオンにすると、Lingo.dev がそのシグナルをもとに自動で動きます。こちらから指示しなくても、不合格のレビューを読み取り、共通点を見つけ、バックグラウンドで編集案を提案します。

有効化はエンジンの Reviews タブから行えます。以後は、低スコアが続くたびに提案が静かに生成され、Suggestions タブに並びます。通知でも知らせてくれるので、見逃されることもありません。

スパムのようには増えません

自動生成にはデバウンスがかかっており、実行はおおむねエンジンごとに10分に1回です。そのため、低スコアが一気に増えても、提案が洪水のように押し寄せるのではなく、よく整理された1つのバッチとして生成されます。さらに、同一の提案は重複排除されるため、同じ編集案が二度表示されることはありません。

どの翻訳でもきっかけになる#

シグナルになるのはレビューのスコアであって、翻訳の出どころではありません。エンジンが 同期呼び出し で実行された場合でも、非同期ジョブ でも、完全な ローカライゼーションパイプライン を通るジョブでも、結果は同じ AI評価者 によって評価され、低スコアであれば同じ提案につながります。つまり、レビュー付きのエンジンを通る翻訳トラフィックが増えるほど、提案は本番で実際に起きている問題をより正確に反映するようになります。

人の修正も、ひとつのシグナルです#

翻訳を人の手で直した時点で、レビューした人はすでに「エンジンのどこが間違っていたか」を示しています。つまり、修正そのものが答えであり、まだ設定に入っていないだけです。そこで Lingo.dev では、人による編集が完了すると、その内容をエンジンの出力と差分比較し、その修正がそもそも不要になっていたはずのルールを提案します。アプリ内で自社チームが編集した場合でも、外部の認定翻訳者による修正でも、止まっていた外部レビューを同僚が引き継いだ場合でも、得られるシグナルは同じで、提案される内容も同じです。対象になるのは、レビューした人が実際に変更したキーだけ。翻訳をそのまま承認してもコストはかからず、学習も起きません。

編集ベースの提案が勝手に適用されることはありません

修正はチームの外から入ることもあるため、それに基づく提案は、エンジンが自分の提案を自動適用する設定でも、Apply するまではpendingのままです。外部翻訳者からエンジンが学習するには、必ずあなたの確認が入ります。

必要なタイミングで生成#

次の低スコアを待つ必要はありません。Generate suggestions ボタンを押せば、直近の低スコアレビューと現在のエンジン設定を使って、同じ分析をすぐ実行できます。auto-suggestions が有効かどうかは関係ありません。ほかの変更を加えたあとで改めて状況を見たいときや、待つのではなく自分のタイミングで提案を出したいときに便利です。

提案される内容#

各提案は、エンジン設定の3つの要素のいずれかを対象にし、既存エントリへの追加または更新として提示されます。

操作適用すると何が起きるか
用語集項目を追加 / 更新用語集の用語を作成または変更します。強制する訳語、または翻訳不可としてマークされた用語です。
ルールを追加・更新エンジンが適用するルールセット内の、ロケールごとのルールを作成または変更します。
ブランドボイスを追加 / 更新そのロケールに対してエンジンが適用する文体として、ブランドボイスのテキストを作成または変更します。

各提案には reasoning が付き、なぜその編集を提案しているのかが短く説明されます。さらに、適用対象のロケールも明示されます。中身の見えない変更をただ信じる必要はありません。何を変えるのか、なぜ変えるのかを確認してから書き込めます。

設定は組織で管理されるため、提案を適用すると、他のエンジンでも使われているコンテナが編集される場合があります。提案には対象が明記されるので、承認前にどこまで変更が及ぶかを確認できます。

提案はピンポイントです

モデルが提案するのは、エンジン全体の書き換えではなく、用語集の用語1件、ルール1件といった粒度の小さい編集です。それぞれを個別にレビューして適用できるので、正しい3つは採用し、合わない1つは外せます。

レビュー、適用、却下#

提案はエンジンの Suggestions タブに pending として表示されます。各提案には、変更案、対象ロケール、理由が表示されます。できる操作は2つです。

1

Apply

提案された変更を、エンジンが適用する設定に書き込みます。実際の用語集の用語、ルール、またはブランドボイスのテキストとして保存されます。適用は、提案された編集内容をそのまま確定的に書き込む処理です。2回目のAI呼び出しはなく、思いがけない変更もありません。提案にはappliedとマークされ、変更はエンジンの次回の翻訳から反映されます。

2

Dismiss

提案を取り下げます。製品にとって適切ではない提案だったときに使ってください。用語や表現については、どんなモデルよりもあなたのほうがよくわかっています。Dismiss しても、エンジンには何も書き込まれません。

適用すると、手動で作成するのと同じ種類のレコードが書き込まれるため、適用後にブラックボックスになることはありません。通常の用語集の用語、ルール、またはブランドボイスのテキストとして、ほかと同じように開いて編集・削除できます。

Apply しても再翻訳はされません

提案を適用して変わるのは、エンジンの設定であって過去の翻訳ではありません。すでに翻訳済みのコンテンツは、再度翻訳されるまで既存の出力を保持します。改善が現れるのは、次にエンジンが走ったときです。

通知#

生成処理で新しい提案が作成されると、エンジンのメンバーに通知されます。アプリ内とメールの両方で届くため、誰にも開かれないタブに改善案が埋もれることはありません。通知システムはプラットフォームのほかの機能と同じです。通知を受け取りたくない場合は、通知設定で Engine suggestions generated をミュートしてください。

自分のフィードバックから生成#

すべての問題が低スコアとして現れるわけではありません。ときには、言語担当者やサポートチケットが、何が問題なのかをそのまま言葉で教えてくれることもあります。たとえば「ドイツ語のコピーが堅すぎる」「製品名は翻訳しないでほしい」といった内容です。そうしたテキストは Engine Suggestions API からそのまま入力でき、同じ種類の提案を得られます。流れはここで紹介しているレビュー・適用・却下と同じで、違うのはきっかけだけです。レビューのスコアではなく、あなた自身が書いたフィードバックがトリガーになります。

評価するのはレビュー、動くのは提案#

AI評価者と Engine Suggestions は、ひとつの品質ループを支える2つの要素です。レビュー担当は測定を行います。各翻訳を用語集、ルール、カスタム基準に照らして採点し、どこで品質が落ちているかを示します。提案は対応します。そうした低スコアを読み取り、改善につながるエンジン変更を提案します。レビュー担当が問題を見つけ、提案が修正案を作り、判断するのはあなたです。こうしてループが閉じます。翻訳し、採点し、提案し、適用する。その次の翻訳は、もっと良くなります。

次のステップ#