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Localization MCP でエンジンを設定する

Lingo.dev のMCP serverを使うと、AIコーディングアシスタントがローカライゼーションエンジンの設定に直接アクセスできます。このガイドでは、インストールから始めて、ロケールごとのブランドボイス、用語集の用語、言語ルール、モデルルーティングまで揃ったローカライゼーションエンジンをゼロから設定する流れを紹介します。

設定する内容#

レイヤーできること例
ブランドボイスロケールごとのトーンや丁寧さを定義ドイツ語の開発者向けにはカジュアルな「du」、日本語には丁寧でフォーマルな文体
用語集独自訳語と非翻訳語を管理ドイツ語では「Deploy」→「Bereitstellen」、"OAuth" はすべてのロケールでそのまま
ルールロケールごとの言語ルールフランス語の句読点前に入れるノーブレークスペース、日本語での全角文字の使用
モデルルーティングロケールごとにモデルを選び、フォールバックも設定欧州言語ペアには Claude Sonnet、日本語には GPT-4o をフォールバックとして設定

最初の3つは、1つのエンジンではなく組織に紐づくものです。用語集、ルールセット、ブランドボイスはエンジンにアタッチして使うため、2つ目のエンジンでもコピーを作らず同じ設定を適用できます。一方、モデルルーティングは各エンジンに属したままです。

こうして、状態を持つ翻訳 API が完成します。コードからはlocalization API経由で、コマンドラインからはCLI経由で、あるいはCI/CDでプルリクエストごとに自動実行できます。すべてのリクエストに、全レイヤーが自動で適用されます。

課題#

どのローカライゼーションエンジンにも、ロケールごとのブランドボイス、用語集の用語、言語ルール、モデルルーティングが必要です。これらをすべてダッシュボードで設定するのは、時間がかかるうえに同じような作業の繰り返しになりがちです。特に最初は、各レイヤーの役割や相互作用を理解しながら進める必要があるため、なおさらです。

Lingo.dev の MCP server を使えば、AIコーディングアシスタントが初期セットアップを1回の会話でこなせます。プロダクトのコンテンツを渡すだけで、エンジンの作成、ブランドボイス文面の作成、用語集に入れる用語の抽出、ロケール固有ルールの追加、モデルルーティングの設定まで一気に進められます。あとは出力をレビューして、必要に応じて調整するだけです。

ステップ 1: MCP をインストールする#

Lingo.dev ダッシュボードのAPI Keysセクションで API キーを生成します。その後、コーディングエージェントの設定に MCP サーバーを追加してください。

.claude/settings.json またはプロジェクト単位の .mcp.json に追加します。

json
{
  "lingo": {
    "type": "http",
    "url": "https://mcp.lingo.dev/account",
    "headers": {
      "x-api-key": "your_api_key"
    }
  }
}

組織スコープ

MCP サーバーがどの組織を管理するかは API キーで決まります。すべての操作は自動的にその組織内で実行されるため、アシスタントが組織 ID を指定する必要はありません。

エージェントを再起動したら、既存のローカライゼーションエンジン一覧を表示するよう依頼して接続を確認します。MCP が有効なら結果が返り、新しい組織であれば空の一覧が返ります。

ステップ 2: エンジンを設定する#

以下のプロンプトをコピーして AI コーディングアシスタントに貼り付けてください。末尾の URL は、プロダクトの Web サイト、ドキュメント、または README に置き換えます。ブランドボイス、用語、想定読者を推測するには、代表的なコンテンツが必要です。

text
Create a localization engine called 'My Product' for localizing into
German, French, Japanese, and Spanish. Study the content at the URL
below to understand our tone, terminology, and audience. Then configure
everything in one pass: brand voice texts for each locale (and English),
glossary terms that need consistent translations or should stay
untranslated, and locale-specific linguistic rules.

https://docs.yourproduct.com

URL を忘れずに

このプロンプトの最後にはプレースホルダーの URL が入っています。プロダクト本来のブランドボイスが伝わるコンテンツへのリンクに置き換えてください。たとえば、ドキュメント、README、オンボーディングフロー、マーケティングサイトなどです。これがないと、エージェントは汎用的な設定を生成してしまいます。

エージェントはコンテンツを読み取り、エンジンを作成し、すべてのレイヤーを一括で設定します。ここから先は、生成された内容をレビューし、必要に応じて調整していくステップです。

ステップ 3: ブランドボイスを調整する#

エージェントが作成したブランドボイスをレビューしましょう。ブランドボイスにはロケールごとに1つのテキストがあり、その言語でプロダクトがどう語るか、つまりトーン、丁寧さ、スタイルを定義します。エージェントはこれらをコンテンツから推測しますが、文化的なニュアンスは確認しておく価値があります。

確認ポイント:

ロケールよくある調整
ドイツ語「du」(カジュアル)と「Sie」(フォーマル)の使い分け — 想定読者次第
フランス語「tu」(カジュアル)と「vous」(フォーマル)の使い分け — B2C 向けかエンタープライズ向けかで変わる
日本語丁寧さのレベル — 多くのプロダクトでは丁寧でフォーマルな「です/ます調」が無難
英語ソース言語のテキストが欠けていることはよくあるため、一貫性のために追加しておきましょう

適切に設定されたドイツ語のブランドボイステキストは、次のようになります。

text
Use informal "du" address. Keep a direct, technical tone.
Prefer short sentences. Use active voice. When a German equivalent
exists for a technical term, use it (e.g., "Bereitstellung" for
deployment), but keep widely-adopted English terms as-is
(e.g., API, CLI, Token).

文体が合っていなければ、アシスタントにそのまま伝えてください。

text
The German brand voice is too informal for our enterprise docs.
Switch it to formal "Sie" register.

ステップ 4: 用語集を調整する#

エージェントが作成した用語集の用語をレビューしましょう。用語集を使うと、特定の用語に対してエンジンを正確にコントロールでき、訳語を固定したり、まったく翻訳しないようにしたりできます。エージェントはコンテンツから用語を特定しますが、プロダクト固有の用語を見落としたり、誤った訳語を選んだりすることがあります。

初回設定後の典型的な用語集は、次のようになります。

原文訳文ソースロケールターゲットロケールタイプ
DeployBereitstellenendeカスタム翻訳
workspaceespace de travailenfrカスタム翻訳
Lingo.devLingo.dev**非翻訳
OAuthOAuth**非翻訳

確認ポイント:

  • 不足している用語 - プロダクト機能名や、エージェントが見つけられなかった社内用語
  • 誤った訳語 - 既存の用法と合わない類義語をエージェントが選ぶことがあります
  • 不足している非翻訳語 - そのまま残すべきブランド名、プロトコル名、略語

用語は意味的な類似性にもとづいて照合されます。たとえば "Deploy" の用語は、別々のエントリを追加しなくても "Deploying"、"deployment"、"deploy your application" にも一致します。すべてのロケールに共通で適用する用語には*ワイルドカードを使います。

text
Add a glossary term: 'checkout' should stay as 'Checkout' in
German - it's our product feature name, not the shopping action.

ステップ5:ルールを調整する#

エージェントが作成したルールをレビューしましょう。ルールは特定のロケール向けに定義する、個別にテスト可能な規約で、エンジンが適用するルールセットとしてまとめられます。全体のトーンを定めるブランドボイスとは異なり、ルールでは汎用モデルが見落としがちな点、たとえば句読点、略語、文字幅、数値形式などを明確に定義します。

初回設定後によく見られるルールセットの例:

ロケール名前ルール
frフランス語の句読点スペース:、;、!、? の前には必ずノーブレークスペースを入れる
deドイツ語の住所略語「Straße」は「Str.」、「Nummer」は「Nr.」に省略する
ja日本語の文字幅半角の () ではなく、全角の () を使う

各ルールは1つの観点だけを扱うため、個別にテストできます。たとえばドイツ語の略語に問題があれば、ほかの設定には触れず、そのルールだけを更新すれば済みます。

確認ポイント:

  • 不足しているルール - 対象ロケール向けの数値フォーマット、日付形式、通貨表記
  • ソース言語 — オックスフォードコンマ、タイトルケース、数値形式に関する英語のルールは抜けがちです
text
In French, there should always be a non-breaking space before
colons and semicolons. Add that as a rule for fr.

ステップ 6: モデルルーティングを設定する(任意)#

新しいエンジンには、一般的な言語から低リソース言語まで、品質を最適化するモデルのデフォルト設定があらかじめ用意されています。ほとんどのチームでは変更は不要です。

特定の要件がある場合は、デフォルトを上書きしてください。たとえば、自社ドメインで精度の高いモデルを使いたい、予算制約がある、コンプライアンス要件がある、といったケースです。

text
Set Claude Sonnet as the primary model for European language pairs,
with GPT-4o as fallback for Japanese.

各モデル設定では、優先順位付きのフォールバックを設定できます。プライマリモデルが失敗した場合(障害、レート制限、提供終了など)、エンジンは自動的に次のモデルを試します。

次のステップ#

Localization MCP
MCP サーバーの完全なドキュメントとセットアップリファレンス
Localization Engines
設定可能な5つのレイヤーがどう連携するか
Brand Voices
ロケールごとのトーン、丁寧さ、スタイルルール
ルール
ルールセットとしてまとめた言語ルール

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Max PrilutskiyMax Prilutskiy·更新済み 14日前·3分で読めます